見えてくるもの。

ここ数ヵ月、うぶやま未来計画立案に向けて、村内の各地区、さまざまなグループを訪ねて、いろんなお話を伺いました。自然、環境、農業、林業、教育、福祉、移住などなど、幅広いテーマに関する数多くの課題と可能性が浮かび上がってきました。
興味深かったのは、「信号がない」という事実を、短所と受け止める意見と長所と受け止める意見が両方あったこと。夜の暗さも同様でした。街灯が少ないと考えるか、星がきれいと考えるか、解釈次第でその価値が異なるんですね。示唆に富んだリアクションでした。

プロジェクトは今後、立案の段階に入っていきます。その際、いただいたたくさんのご意見を、言葉面のまま鵜呑みにすることなく、その根底に横たわる真意と取り組むべき本当の課題を見極めていきたいと思います。そして、それを解決する道筋を提示して共感をいただけるよう知恵を絞っていきます。乞うご期待。(江副P)

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中学生たちが思い描く未来

うぶやま未来計画に学生たちのアイディアを取り入れたいと、10月21日には産山学園にお邪魔して、9年生(=中学3年生)たちが描く未来の産山村、そして産山学園の未来について自由に意見を出してもらいました。

生徒たちにまず見てもらったのは、将来の学園の生徒数。将来予測だと、2048年には生徒数が3分の1になるという試算が出ています。このままでは母校の廃校もありえるかも、という危機感から話し合いは始まりました。学園がなくなってしまわないために、みんなの知恵を絞ってもらうのです。

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村をこうすれば、学園がこうなれば、産山村の人口が増えて、生徒たちも増えるのではないかと生徒たちのアイディアは実に多彩。

「完成した大蘇ダムを観光に利用してはどうか」「ツーリングやドライブで村を通る人が楽しめるように、○○(花・木 ex.ヒゴタイの花、サクラ)ロードを作ってはどうか」といった観光産業を盛り上げるアイディア。「害獣(イノシシや鹿)の皮や肉を使った商品開発」といった課題も併せて解決するアイディア。

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「将来産山に住むことを条件に、大学の学費を村が一部負担してはどうか」「村に住んでいても都会と同じような仕事ができるよう環境を整えてはどうか」といったUターンを増やすアイディア。

また、「ハイレベル(高校レベル)の授業も受けられるようにしてはどうか」「農業コースを作ってはどうか」「伝統的な昔の農法を習う授業を取り入れてはどうか」といった産山学園に特別な授業を導入して生徒たちを集めるアイディア。「一人暮らしの高齢者のお世話をする『子供ヘルパー』は楽しいからずっとこれからも続けたい」「30年続いているタイの中学校との交換留学もずっと続けたい」とユニークな産山学園の取り組みを今後も持続的に続けていくことでさらに存在価値を高めるアイディア。

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将来の学園は「宿題なし」「いじめなし」「他校や他国での勉強の機会がいっぱいある」という意見もあり、そんな産山学園になれば学ぶのが楽しくなって、毎日行きたくなる学校になりそう。子供たちにとっても理想の産山村となることができれば、こんな素敵なことはありません。(産山村役場 企画振興課)

 

第2回 産山未来会議

2回目となる産山未来会議を9月17日に開催。前回の財政しミューレーションとは大きく異なり、今回は各地区での座談会で上がった課題の整理を行いました。

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各地区で出された課題はさまざま。その中で重点的な課題を拾い出し、4つの分野に分ける作業を行いました。

各地区に共通する課題。地区特有の課題。課題が多岐にわたる分野。特定の課題が重複する分野。それぞれの課題をグリッドにわけて貼り出すことでグルーピングされて、村が直面する課題が整理されていきます。

ここからはロジックツリーに落とし込み、各課題の関係性を見ていく作業を行います。次は、産山村の資源(リソース)の整理。そこからアクションプランを作り、具体的な計画を組み立てていく予定です。(産山村役場 企画振興課)

 

グループヒアリングを進めています

安心して暮らすことのできる村を目指して、住民参加型で策定している「うぶやま未来計画」。

多くのステークホルダーからできる限り意見を伺いたいと、9月6日からは、食育推進協議会や老人会、商工会、観光協会、NPO法人、子育てグループといった各種団体へのヒアリングを行っています。

ヒアリングでは、それぞれのグループに、①困っていること、②それらに対する考えられる解決策、③やってみたいこと&挑戦したいことについて、自由にお話ししてもらっています。

各グループで直面している課題は多岐にわたりますが、多くの団体が「人材不足」「集まりに参加する人数が少なくなった」「人手が足りない」といった人口減少を共通の課題として挙げていました。

老人会の方々には「車に乗れなくなったら、どこにもいけなくなる」と移動手段についての不安を抱いている方が多くいました。また、子育て世代では「村内に小児科の医師がいない」ことが最も困っている、という意見が出ました。やはり、山間部の過疎地であることから、生活におけるさまざまな不便さに直面していることがわかります。

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特に高齢者にとっての交通手段は、食事や買い物といった日常生活を成り立たせるためにも、村が解決すべき喫緊の課題となっています。交通手段の解決として「白タクを使ったシェアリングタクシー」「移動販売を始めてはどうか」「近所で声を掛け合って、一緒に買い物や病院に行くようにしてはどうか」といった声が当事者たちから聞かれました。

人口減少に対する解決策としては、王道ではありますが「移住定住に力を入れていく」が一番多く、若い人が村に残れるように「後継者が暮らしやすい仕組みを作る」といった意見も聞かれました。また、「子育て世代でも働きやすいシフト体制やパート勤務がある仕事を増やす」といった女性も仕事をしやすい環境を作るのが移住定住の促進には必要であるという意見もありました。みんなの思いにあったのは、「子供たちが戻って来たくなるような『ふるさと』をつくりたい」ということ。「小さな村だからこそ、小回りをきかせて、いろんなことを試してみたりと、さまざまな『仕掛け』を作ってみてはどうか」とのアドバイスもありました。

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最後の質問である「やってみたいこと」への回答には、「産山村の特産品をつくりたい」「交流を深めるイベントをやってみたい」といった意見が多く聞かれたほか、「稼げる老人会になりたい」といった頼もしい意見もありました!

皆さんからこうして意見をいただくたびに、形だけで終わらない、実現可能な計画を作らなければと否応なしにモチベーションが高まるのでした。(産山村役場企画振興課)

うぶやま未来計画ミーティング

株式会社地域科学研究所の西田です。

産山の草原と阿蘇山系を望む場所で、うぶやま未来計画の事務局ミーティング。

 

産山の景色は、絶景です。誰もが愛すこの素晴らしい環境が未来の「糧」になる。そんな本質的な話し合いを進めながら、会議は進行していきました。これまでの地域ごとの座談会で、分かった産山の魅力と課題。10年後を見据えて、可能性と夢を広げる作業が始まります。

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ランチでは、恒例のうぶ風キッチンさんのお弁当。秋の風を感じながら、おいしくいただきました!

 

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