吉本哲郎氏の地元学 「足もとをみつめよう」

産山村の将来のあり方について村民とともに考える産山未来計画づくり。これまで、村が直面する問題を中心に話し合いを重ねてきましたが、11月14日(木)に開催された第4回産山未来会議では、産山村の持つ「良いところ」や「資源」について考える機会を設けようと、水俣市より地元学ネットワーク主宰である吉本哲郎氏と国立水俣病総合研究センターの原田利恵氏にお越しいただきました。

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まずは原田利恵さんによる「第三者の目からみた産山村の良さ」。

初めて産山村を訪ねた原田さんが、会議までの4時間に村を巡った感想を写真スライドとともに見せていただきました。私たち住民が当たり前のように目にする村の1シーンを「美しい」と呼ぶ原田さん。原田さんのスライドを見ながら、私たちにとってはなにげない日常の、ありふれた景色の貴重さ、素晴らしさをあらためて気づかされます。

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次に吉本氏によるお話し。
地域の良さを探す手法として全国に広がりをみせる「地元学」は、水俣病で分断された地域を再生する「もやい直し」の実践的な方法として生み出されました。

住民間の断絶が続き「20年も患者と全く会えなかった」という元市役所職員の吉本氏は、中傷や差別、風評被害で大きな傷を負った水俣で「周りが変わらなければ、自分たちが変わるしかない」と腹を括り、住民たちと共に徹底的に自分たちの足元を見つめ直しながら「地元にあるものを探し、組み合わせて新しいものをつくる」「そこに気づきと感動があった」と水俣の再生について語ってくれました。また、その過程には「笑い」と「ユーモア」が最も大切だったことを何度も強調されていました。

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良いもの探しのコツは、村には「なにもないと思っているかもしれないが、ここが大好きという場所を見つける」とのこと。「いいものを毎日見ていると当たり前になってしまうかもしれない。でも本当は当たり前ではない。失った時に初めて当たり前でなかったことに気付く」と「ないものねだり」ではなく「あるもの」が壊れてしまう前に価値を「発見」し、大切にしていく思いを一人一人が持つことが地域づくりにつながると語っていただきました。

そのように考えると、住民アンケートでの「産山村の好きなところはどこですか」に対する回答を整理すると、村が大切にしないといけないものが見えてきます。

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地元学は「失う」前にあたりまえの尊さに気づいてもらう、きっかけづくりという吉本氏。村の良いものを失ってしまわないよう、次に残していくことを計画に取り入れたいと考えています。(産山村企画振興課)

 

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