うぶやま未来計画と連動する財政のしくみ

【 自治体は1年間の収入の範囲で支出の計画を決めている】

うぶやま未来計画の10年間の基本計画について議論が交わされ、「稼ぎ上手、伝え上手、暮らし上手の村になる。」という言葉で、基本計画が練り上げられています。

これを実現するために、行政、住民が一体となって取り組めるか?が産山村の「未来」を決めることとなります。そして、この政策を推し進めるために、行政は、毎年の行政サービスと合わせて、「うぶやま未来計画」を実現するための「事業」について、予算を作り、議会で議決され、実行していくことになります。

では、この毎年の「予算」というものは、どうやって決まるのでしょうか?

知っているようで、知らないのが行政の「財政」に関することではないでしょうか?普段、当たり前に受けている行政サービスも、毎年の予算編成によって成り立っています。そしてこの予算というものは、「歳入」(自治体の収入)の範囲内でしか、予算編成できない、というルールがあります。産山村では、2018度決算で、約27億円の収入がありました。この内訳が、下記のグラフになります。産山村の収入の特徴は、自主財源といわれる村の中から集まってくる「税収」が少ない、という点にあります。これは、産山村の住民の「稼ぐ」力が弱い側面が表れています。ただ、税収が少ない自治体に対しては、それをカバーするための財政制度があり、依存財源といわれる国や県からの収入等で成り立っています。

財源

【毎年の予算の中で「使い道」を自治体の判断で決められる一般財源】

このうち、産山村が「うぶやま未来計画」を推し進めていくための予算は、どの程度確保できるのでしょうか?

実は毎年の予算の中で、「使い道」を自治体の判断で決められる財源を「一般財源」といいます。それ以外は特定財源といって、国や県の政策により使い道が決まってしまっている収入源です。2017年、一般財源が産山村では、約11億円ありました。これが全て、これからの課題や、未来のための政策に使えるわけではなく、下記のグラフのように一般財源の約16パーセントが、約1.7億円が主に村の重要な課題対応や、政策推進に使えるお金となります。

一般財源

この政策的に使えるお金は、それ以外に係る費用が増減すれば、毎年変動します。また今後は社会基盤の老朽化に伴い維持管理費の急速な増加が見込まれており、社会資本形成のための計画的な投資が難しくなる可能性もあります。

新しい事業を始めるためには、何かの事業をあきらめたり、見直さなければ、新たな財源は生まれてきません。ひとつひとつの事業の有効性を高めることが重要です。ここが、「うぶやま未来計画」の実現性を高める大きな要素であることは間違いありません。「うぶやま未来計画」では財政の計画と連動させるという視点も取り入れることとなっています。

地域科学研究所 西田