グループヒアリングを進めています

安心して暮らすことのできる村を目指して、住民参加型で策定している「うぶやま未来計画」。

多くのステークホルダーからできる限り意見を伺いたいと、9月6日からは、食育推進協議会や老人会、商工会、観光協会、NPO法人、子育てグループといった各種団体へのヒアリングを行っています。

ヒアリングでは、それぞれのグループに、①困っていること、②それらに対する考えられる解決策、③やってみたいこと&挑戦したいことについて、自由にお話ししてもらっています。

各グループで直面している課題は多岐にわたりますが、多くの団体が「人材不足」「集まりに参加する人数が少なくなった」「人手が足りない」といった人口減少を共通の課題として挙げていました。

老人会の方々には「車に乗れなくなったら、どこにもいけなくなる」と移動手段についての不安を抱いている方が多くいました。また、子育て世代では「村内に小児科の医師がいない」ことが最も困っている、という意見が出ました。やはり、山間部の過疎地であることから、生活におけるさまざまな不便さに直面していることがわかります。

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特に高齢者にとっての交通手段は、食事や買い物といった日常生活を成り立たせるためにも、村が解決すべき喫緊の課題となっています。交通手段の解決として「白タクを使ったシェアリングタクシー」「移動販売を始めてはどうか」「近所で声を掛け合って、一緒に買い物や病院に行くようにしてはどうか」といった声が当事者たちから聞かれました。

人口減少に対する解決策としては、王道ではありますが「移住定住に力を入れていく」が一番多く、若い人が村に残れるように「後継者が暮らしやすい仕組みを作る」といった意見も聞かれました。また、「子育て世代でも働きやすいシフト体制やパート勤務がある仕事を増やす」といった女性も仕事をしやすい環境を作るのが移住定住の促進には必要であるという意見もありました。みんなの思いにあったのは、「子供たちが戻って来たくなるような『ふるさと』をつくりたい」ということ。「小さな村だからこそ、小回りをきかせて、いろんなことを試してみたりと、さまざまな『仕掛け』を作ってみてはどうか」とのアドバイスもありました。

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最後の質問である「やってみたいこと」への回答には、「産山村の特産品をつくりたい」「交流を深めるイベントをやってみたい」といった意見が多く聞かれたほか、「稼げる老人会になりたい」といった頼もしい意見もありました!

皆さんからこうして意見をいただくたびに、形だけで終わらない、実現可能な計画を作らなければと否応なしにモチベーションが高まるのでした。(産山村役場企画振興課)

うぶやま未来計画ミーティング

株式会社地域科学研究所の西田です。

産山の草原と阿蘇山系を望む場所で、うぶやま未来計画の事務局ミーティング。

 

産山の景色は、絶景です。誰もが愛すこの素晴らしい環境が未来の「糧」になる。そんな本質的な話し合いを進めながら、会議は進行していきました。これまでの地域ごとの座談会で、分かった産山の魅力と課題。10年後を見据えて、可能性と夢を広げる作業が始まります。

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ランチでは、恒例のうぶ風キッチンさんのお弁当。秋の風を感じながら、おいしくいただきました!

 

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井信行さんとBBQ。

先日、村の「産山社子屋」のイベントへのお誘いを受けて、牛飼いの井信行さんの講話を聞きに行ってきました。新聞記事を拝見したことはあったのですが、実際にお目に掛かるのは初めてでした。

牧野と牛飼いの関係、飼料の考え方など、なるほどなるほどと、終始頷きながらお話を伺いました。畜産のひとつの哲学を垣間見た気がしたものです。
会場は、村外からの参加が多く、僕がさまざまな地域プロジェクトで経験してきた情報の特徴的な広がり方を再確認しました。情報発信は、必ずしも中心点から同心円のように拡散するものではなく、遠くの点から別の場所と繋がって線になり、それがさらに広がり、中心点に戻ってようやく面になる。情報の伝播では、よくこんなことが起こります。

講話の後は、会場を移して念願の赤身肉を堪能しました。地元の野菜や新米のおにぎりもいただき、その後は皆さんがお泊まりになるバンガローにお邪魔して、村内外の新たな方々とお酒を飲んで盛り上がりました。農家、議員、弁護士と多士済々。産山村の魅力のお陰で、僕までお裾分けに預かりました。感謝。(江副P)

井さん講演会

 

 

各地区での座談会を開催しました

「うぶやま未来計画」はこれからの村づくりの方針となる大切なもの。8月24日~9月4日にかけては、地区座談会を開催しました!スタートは午後7時。夕食が終わってから、各地区の公民館に集まってもらいました。

田尻地区、南部地区、山鹿地区、産山地区の計4回。5つの分野(活力ある産業振興の村づくり、安心して暮らせる健康・福祉のむらづくり、豊かな心を育む教育・文化の村づくり、快適で安全な村づくり、行財政が効率的な村づくり)に分かれてグループワークに取り組んでいただきました。

グループワークの内容は、この3つ。①村や地区の良いところ、②直面する問題、③その解決策。

最後の③については、さらに3つに分けて、①一人でできること、やりたいこと、挑戦したいこと、②地区で解決できること、③役場や外部と協力してできることに分けて、皆さんに意見を出してもらいました。

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付箋に課題やアイディアを書いてもらい、グリッド内に貼っていきます。できあがったら、グループごとに発表をしてもらいました。

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こうやって整理することで、村の現状や各地区の現状が「見える化」されてきたようです。

参加者からは「村の景観、星空や水の美しさなど、あたりまえだと思っていたことを別の視点でみることができ、再発見することができた」といった感想も聞かれました。

村の抱える課題を解決する方法を一緒に考えてもらう過程を通して、村民もともに実施できる計画ができあがるのではないかと思っています。(産山村役場 企画振興課)

 

 

地域科学研究所の西田です。

株式会社地域科学研究所の西田です。
今回、熊本県産山村で始まったプロジェクト、うぶやま未来計画のお手伝いをさせていただいています。

 

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村の20年後(2040年)のビジョンを見据えた、いわゆる自治体の総合振興計画といわれるものになるけど、現状の状況や、財政問題を直視すれば、よく見る自治体の総花的な総合計画なんて、全くやる意味がないと思います。

1500人の村だからできることを見据え、江副さんによるキャッチコピー「小さきことは美しきこと」というコンセプトにそって、ハンデをアドバンテージに変える仕掛けをしていきます。

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今日は、田尻の地区で、地区座談会。

座談会前に、夕食は、公共不動産であった地域の保育所施設をリノベーションしたカフェでお食事。

ここのアーモンドにこだわった焼きアーモンドもおいしい。

 

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2040年に、1023人になる推計だけど、やっぱり人って数じゃない、人の濃さが未来を決める。

ハンデをアドバンテージに変えることができそうな産山村。

田尻地区は、阿蘇の高原のエリアの立地を生かして、夏場も温度が低いところで作れる野菜を中心に農業展開して、1000万近い世帯収入がある農家も多いそうだ。稼げるところには、  必然的に後継者がいる。

 

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地区の未来は自分たちで作るという稼げるポテンシャルがあるこそ言える人たちも多く、新しい自治の可能性を感じる。夜も遅いのに20人もの田尻地区の人があつまり、熱い座談会。そして、元気のあるところは女性が強いw

 今回、自治体経営(公会計の視点、公共不動産マネジメントの視点)を入れることがこのプロジェクトの特徴で、夢とそろばんのにらめっこが始まっています。

 

〇産山村のいいところはこちらから。産山ポータル。

フランスのすっごい田舎だけど、いい感じの村なイメージの産山村。( 西田)

ブンボの江副です。

初めまして。ブンボ株式会社の江副と言います。九州を中心に、全国で地域や企業のプロデュースをしています。この度、うぶやま未来計画の策定をお手伝いすることになりました。公会計等に多くの実績を持つ地域科学研究所の西田稔彦くんと共に、小さな自治体の生き残りをかけた実効性のあるプランを作ります。「小さきことは美しきこと」と、僕がコピーを書いたのですが、開き直りなんかではなく、これまでのいたずらにスケールメリットを追うような方法ではなく、ローカルの小さな村に暮らすことの意味と意義を掘り出す機会にしましょう。村民の皆さんと共に、ここ産山が世界の大きな価値転換の起点になるようなプロジェクトにしたいと思っています。どうぞ皆さま方のご協力をよろしくお願い致します。(江副P)

 

 

計画づくりがいよいよ始動

過疎化と少子高齢化は産山村にとっても深刻な課題です。

人口1,500人の小さな村は、このまま月日を重ねると30年後には半分近くの約800人まで減ってしまうという試算が出ています。なかでも産山村の未来と暮らしに大きく影響するのは、人口構成の変化です。団塊の世代とその前後の世代が人口構成の中心となっている本村では、60歳代を境として次の世代がぐんと少ないのです。

地域の様々な役割や、集落の祭や野焼きといった住民活動を担い、地域を支えている団塊とその前後の世代。10年後、この世代が75歳以上の後期高齢者となると、医療・介護の需要増、自家用車に代わる交通手段の確保等、新たに生じる様々なニーズに対応していく必要がある一方、地域づくりや村づくりの重要な担い手を欠いてしまうことになってしまいます。

こうした課題を克服し、小さくとも安心して幸せに暮らせる村を目指して、皆で知恵を出し合って作るのが、今回の「うぶやま未来計画」です。「小さな村の生き残りを賭けたサバイバル戦略」とも言えるかもしれません。

産山村は阿蘇山の北外輪に位置します。標高600メートル〜950メートル。空が高く青く、空気が澄んでいます。どこまでも続く草原のなめらかな稜線、阿蘇山と久住連山をくるりと草原の向こうに見渡せるパノラマの中にある美しい村。私たちの自慢の村です。

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ここを持続可能な村とするべく、うぶやま未来計画は、各地区や各団体から推薦された村民18名から構成される「産山未来会議」メンバーと役場の若手職員12名を中心に作られます。モットーは「実現前提」。20年後の村のビジョンと今後10年間における村の総合振興計画を含む計画です。

7月30日午後7時から第1回目の産山未来会議が開催されました。20年後のあるべき産山村に向けて漕ぎ出すための羅針盤となる「うぶやま未来計画」。2020年3月の完成を目指して、いよいよ始動です。
(産山村役場 企画振興課)